2011年10月の教材


作品名 | 作者名 | サイズ |
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また明日!! | 宮崎純子 (本部) |
式紙 |
昭和20年代から30年代にかけての私の子供時代、親の世代は癒えることのない戦争の記憶を胸中に抱えたまま、日々を懸命に生きていました。子供達といえば、そんなまわりの大人達の優しいまなざしに包まれて、身を寄せ合い、ささやかなことに幸せを感じながら毎日を過ごしていました。「また明日!!」この言葉は子供にとって、何の疑いもなく明日がくることを信じていた、いわばおまじないだったのかもしれません。3.11以降の今、「また明日!!」の言葉を信じ続けようと思います。6月教材「向日葵」につづき、この作品も今の私の思いが皆様に届きましたら幸いです。 ◯下図を描く。木の幹、枝、ブランコ、すべて必要な線をうっすらと描いておく。初心者の方には次の方法をおススメします。淡い無地クリーム色超極薄紙で全部写して、そのまま式紙全体に貼ってしまい、下図完成というわけ。 ◯ブランコ、木、どちらから貼られてもいいですよ。 ◯木……厚紙や雲龍紙を使わないで幹や枝を貼ります。「和紙で描く絵」である「ちぎり絵」が、その可能性を無限に発展させていくことが主宰の目標でした。そのためには自由であること、多様であることです。固定観念にとらわれないで、例えば幹や枝にもいろんな紙を挑戦してみましょう。 ◯葉……最初に淡いクリーム色超極薄紙をちぎって葉のしげり部分(画面ほぼ上半分くらい)に貼る。(初心者の方はすでに下図用として式紙全体に貼ってありますが、それでいいです。)次に、オレンジと黄緑むら染め超極薄紙を小さくちぎりながら、葉のしげみ、特に中央から右にかけて多めに貼っていく。次は手漉き春雨落水紙(ドーサと顔料吹き付け染め)、そして手漉き典具帖顔料吹き付け染め(雅染め)を小さくちぎりながら貼っていきます。 ◯ブランコ……手漉き典具帖灰紫系むら染めで。手前の明るい支柱は一重、奥の暗く陰になっている支柱は二重か三重で、ハサミで切りましょう。鉄棒は一重です。ブランコのヒモは、幹・枝使用のむら染めを細くコヨリにします。 |