2008年4月の教材


作品名 | 作者名 | サイズ |
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水芭蕉 | 塩見恵子 (倉吉サークル) |
4F式紙 |
ちぎり絵では人気のモチーフのひとつ、展覧会でよくお目にかかります。 風景画の点景として扱う場合は別ですが、静物画としてこのモチーフを扱う場合、気になるときがあります。それは、水芭蕉以外の周りの湿地の状況が説明的に詳しく描 き込み過ぎてある、ということです。(たぶん写真を利用して、写っているままを全部引き写してしまわれるのでしょうね。) さてこの作品です。余白を活かし、周りの描写は極力省略し、暗示する程度にとどめてあります。必然的に描きたいもの「水芭蕉」が強調され、すっきりとした作品とな りました。「省略」と「強調」は、画面構成上、大切なことですね。 ○花 白い部分は苞、黄色の花穂のいわば「包み紙」です。 苞は白極薄紙で写し、10匁白(大きい方)を軽く鉄筆、水切りします(毛羽を充分に出すこと)。中央の窪みは、超極薄紙4種で色付けしてください。白の手漉き厚典具帖をちぎって周りに調子付けします。この紙の純白の色と長い繊維の量の多さが、美しい効果をだしますね。 花穂は、葉用の緑をこの大きさにちぎり、黄色濃淡2種を細かく切ったものを乗せる。 ○葉 絞り入り横折染め2種。 ○周囲の情景は、顔料とドーサ染め大穴落水紙4種。ちぎったり、細かく切って散らしたり。さらに、アミ目落水紙4種で雰囲気作りをしましょう。 (純) |
この作品はちぎり絵サークルの教材として特に作者から提供されたものであります。したがってこの作品を模作・複製して発表したり、販売したりすることは著作権の侵害になりますのでご遠慮ください。