2005年5月の教材
作品名 | 作者名 | サイズ |
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睡蓮 | 温品多美子 (山口サークル) |
式紙 |
花も葉も水もすべて、作者好みのしっとりとした紫系の色にまとめられています。現実の緑はほんの僅か。でもこの色が生きて、画面に鮮度を与えています。 ○バック(水面と葉) 花の位置を、自分に解りやすい方法で、鉛筆で確認しておきます。 式紙全体に、紫系むら染め土佐典具帖を1枚貼る。 ほぼ葉の形にちぎって紫系の薄葉紙を3種(土佐典具帖、機械漉き薄典具、因州極薄紙)を貼っていく。手前は濃く、奥は淡くなるように。 水面にきらめく光に粒の感じを出すように、雪しずく染め落水紙を2種、ちぎって貼っていく。 ○花 左手前、右奥、左奥と順々にトーンも大きさも形も変えていく。(目線の角度が変化していくことによって、見え方が変わる…) 白は、因州純楮紙10匁、5.5匁、3匁の厚さ3種と、土佐典具帖と因州超極薄紙です。 花びらを調子付ける色として、超極薄紙の紫系とピンク系を計5種使います。その他に緑系極薄紙2種。 左手前の花 主に5.5匁を使い、手前裏側を見せている花びらには、10匁を使って白の発色度を高くします。花は向こう側から貼っていき、必要なところに超極薄紙をかけていきます。 花びらは手でちぎること、ちぎったものの毛羽(繊維の足)をその流れに素直に従って、丁寧に撫で伸ばして整えてやること、この二つの基本をしっかりとなさってくださると、とても活き活きとした美しい花になります。 右奥の花 白は主に5.5匁と3匁。 左奥の花 白は主に土佐典具帖と3匁。 注)10匁の楮紙は、裂き剥ぎが可能です。この技法も取り入れられたら、もっと微妙な表現になるでしょう。 (純) |
この作品はちぎり絵サークルの教材として特に作者から提供されたものであります。したがってこの作品を模作・複製して発表したり、販売したりすることは著作権の侵害になりますのでご遠慮ください。