2015年3月の教材

作品名 作者名 サイズ
しだれ桜 石原佳世
(岡山県)
式紙

世界各地、各国で大切にされ親しまれている花がありますね。日本では・・・まず桜でしょうか。昔から詩歌に詠まれ、絵画や調度品、衣類にまで描かれてきた桜。咲き始めから満開を経て散りゆく時まで、移ろいゆく過程のすべてが人々の美意識を育ててきました。その桜、日本原生で30種以上もあり、育成種も含めると数百種もあるとのこと。それだけ愛されてきたということでしょう。
ちぎり絵でも今まで教材に度々登場しています。この度は「しだれ桜」、これは初めてですね。
流れ落ちるように咲く桜の圧倒的な存在感を表現するために、情景描写は最小限にとどめてあります。橋も一部のみ描き、川や周りの空間は暗い色で処理し、遠くの樹々の茂みなどは僅かに暗示するだけです。

◯下貼り・・・灰紫の式紙全体に、青紫と黒味紫の2色折染め極薄紙を貼る。画面左右に黒味紫、中央あたりに青味紫が来るようにして。

◯橋・・・手絞り染め。まず2本の欄干(手すり)を、細く鉄筆で切っておく。上の段の欄干を貼り、次に2本の柱をその形に切って貼る。そして下の段の欄干(あらかじめ切ってありますね)を、柱と柱の間の長さに合わせて切って貼る。つなぎ目部分はカーブを付けましょう。仕上げは、この絞り染めや白極薄紙で明暗のメリハリを付けます。

◯バック・・・画面左上方は、遠くの樹々の茂みを表現する。下貼り用や濃い緑と濃い紫の春雨落水紙をちぎって。画面右上方は、下貼り用をちぎって貼り暗くしておく。

◯花・・・枝の線を、おおまかに色鉛筆で描いておく。そのあと、花の奥行きを出すために、ピンク系大穴落水紙(どれでもよい)を小さくちぎって右上方に所々貼り、その上に下貼り用にちぎって重ねておく。さらに広範囲に青紫と紫のむら染め春雨落水紙をちぎって、あちらこちらに貼っておく。
枝を貼る。雲龍紙の繊維を抜き、太いものはさらに裂いて細くする。厚紙の灰紫折染め(小判)を、出来るだけ細くハサミで切ったものも枝にする。
いよいよ花を貼りましょう。ピンク系大穴落水紙3種。たっぷりと用意しました。3種の色の差は僅かです。濃いところ、淡いところ、白っぽいところを適当に小さくちぎって、枝の流れの方向を意識しながら貼っていく。出来る限り小さくちぎること、ちぎったものをそっと引っぱり伸ばすようにして、繊維の流れを方向付けて貼ること、これらは大切なポイントです。最後に蕾です。落水紙を細かくハサミで切って散らしましょう。
                               

(純子)

この作品はちぎり絵サークルの教材として特に作者から提供されたものであります。したがってこの作品を模作・複製して発表したり、販売したりすることは著作権の侵害になりますのでご遠慮ください。