2014年10月の教材

作品名 作者名 サイズ
寒菊 叶 玲子
(岡山県)
式紙

晩秋から初冬にかけて、霜が降り、冬枯れの庭。そこだけポッと明かりが灯ったように咲いている小菊の群れ。詩情ただよう絵心を誘う情景です。
菊を含むキク科の花は植物学上、興味深い構造をしています。私達がふつう一輪の花として見ているものは、実は無数の小さな花の集団なのだそうです。この作品の花で説明しますと、中央のこん盛りした円形部分は、ひとつひとつが雄しべ、雌しべを持った、ちゃんとした花が無数に集まったものなのです。
また周囲部分の、ひとひらひとひらも、それぞれ雄しべ、雌しべを持った花なのだそうです。つまり、この構造は、種(子孫)を残すため、植物学的には最も進化したもの・・・知りませんでした!
他に、キク科の花は、タンポポ、ヒマワリ、アザミ、ヨメナ、ヒメジオン、ハルジオンなどがあります。

◯式紙は、作品のイメージに合わせた色調と風合いです。構図も左に余白を過不足なくとって描いてあります。この「余白」というものは、日本画や水墨画では特に大切な「美」の要素です。作者は、その日本画の世界でも研鑽を積んでおられます。

◯花・・中央の円形部分をまず貼る。黄と白の絞り入り折染め厚紙で。淡い方を上方に、濃い方を下方(茎の方)にくるように丸くちぎる。(染めのにじみ具合で、それが出来にくい場合は、あとで薄紙で調整します。)
周囲の花びらを貼る。今の紙と、他の黄色系折染め(厚紙)2種をちぎって。花びらの向き、長さや形で花全体の方向性が決まります。黄と緑折染め超極薄紙も適宜入れる。
そしてもう一度、中央の円形部分を貼る。明暗を考えながら、こん盛りとした、ふんわりとした表情を出します。黄とオレンジ2色折染め超極薄紙、黄色系春雨落水紙2種で。

◯茎・・渋く淡い灰桜色と薄茶の2色折染め厚紙の、灰桜色の方です。この上に雅染めを乗せます。薄茶の方は葉に使用。

◯葉・・緑系折染め3種。赤紫2種、赤茶系1種。そして雅染め2種。緑系1種と赤茶系は草木染めで、極限まで原画に近い色に再現して下さっています。緑系春雨落水紙は、葉や花のガクに使う。
                               

(純子)

この作品はちぎり絵サークルの教材として特に作者から提供されたものであります。したがってこの作品を模作・複製して発表したり、販売したりすることは著作権の侵害になりますのでご遠慮ください。