2013年3月の教材

作品名 作者名 サイズ
宮崎純子
(本部)
式紙

兜や鎧は武士が身を守るための防具であると同時に、神仏に加護を願い、さらに自らの信条や美意識をも表すものであったようです。そこで意匠や細工に様々な工夫が凝らされてきました。映画やテレビドラマを観る愉しみのひとつでもありますね。
1月教材「雛の日」から一転、男の子の節句のイメージで凛々しく、しっかりとした色の組み合わせで描きました。

◯トレーシングペーパーを台紙を利用して部分ごとに写し、切り離します。(金色の部分は太線で、その他は点線でと、わかりやすいようにしてあります。)
写し終えたら台紙の方を、全体の形そのまま切り取り(紐は不要!)式紙の所定位置に置き、輪郭線を鉛筆でなぞり下図とします。
あとはこれを目安に、部分ごとに色和紙を貼っていきます。

◯兜鉢(かぶとばち)
ヘルメットのような部分です。ブルー濃淡折染め紙で。

◯吹き返し
兜の左右にあり、顔を守る役目をします。本来は彫金や印伝(なめし皮に漆で模様を付けたもの)が施してあります。濃紺の先染め出雲民芸紙(原料は三椏)で。

◯錣(しころ)
兜の裾をスカートのように取り囲んでいるもので、本来は多彩な糸で丈夫に作られています。ここでは少ししか描いていません。兜鉢と同じ紙です。

◯前立て、鍬形(くわがた)
特に武士それぞれの独自性を競った部分で、いわば「名刺」のようなものです。
金砂子入り紙2種を用意しました。濃い方は原画と同じもの。淡い方は紙屋さんの格別のご好意で「おまけ」です。
「吹き返し」や「兜鉢」の下部の細い金の部分に使われてもいいでしょう。またこれを「前立て」と「鍬形」に使った、もう一作を描かれるのもおススメです。

以上で一往の下貼り完成です。では細部を仕上げていきましょう。

◯「吹き返し」は、赤折染めとグレー濃淡絞り入り折染めで、ひとつひとつちぎって貼っていきます。
◯「錣」は、濃紺とグレーをハサミで切り、赤は鉄筆の先で。
◯「前立て」と「鍬形」の陰影の線はグレーをハサミで切って、金砂子紙の上に重ねるのではなく、外側に貼ります。「兜鉢」の下部のグレーは、細く切ったものを二重に折ってカーブを付けながら貼る。
◯最後に「忍緒(しのびお)」という、赤い紐と房を貼ります。この紙は薄いですが、粘りがあり自在に扱えます。手漉きの良さですね。細く裂くかハサミで切って、二重に折って紐、輪、結び目と別々に貼っていく。結び目はそれらしく見えればよし、です。
房は二重に貼っています。ハサミで切れ込みを入れて、まず濃い赤を貼り、鉄筆で整えて、次にぼかしのあるところをもう一枚貼って下さい。
出来上がりましたね、お疲れさま!

(純子)

この作品はちぎり絵サークルの教材として特に作者から提供されたものであります。したがってこの作品を模作・複製して発表したり、販売したりすることは著作権の侵害になりますのでご遠慮ください。