2010年3月の教材

作品名 作者名 サイズ
仰ぎ見る季節 宮崎純子
(本部)
式紙

「とってもきれいに貼れますよ!」「うわぁー、よかった…。安心しました!」
この日の電話の会話を私は忘れません。
ただ一枚貼るだけで崖になるよう、雅染めの効果を最大限に使いたい、との難題を染色の方にお願いしたのです。従来の雅染めは、小さな粒はほぼ丸い均一なもの。ところが今回のは、不均一に乱れた長い粒、しかも紙全体に多い部分と少ない部分を作っ
てもらうのです。
この難題を、長い日々、試行錯誤の末に完成してくださいました。実際、私が訪ねた彼女の仕事場には、吹き付けの道具がいくつも並び、風呂桶のような巨大なバケツには、調合された顔料がいっぱいで、天井には所狭しと染められた紙が乾燥のため吊されていました。
文字通り、一枚一枚が心血を注がれたものです。私たちも衿を正して使わせていただきましょう。

○まず、この紙を拡げてください。上からと下からと中央に、大きなくさび形で色の濃いところがありますね。どちらを使うか見極めて、手本の上に当て、水切りして一枚そのまま崖全体に貼ります。次に画面下、左右にこの紙をちぎって重ねます。他の部分にも、必要であれば適宜ちぎって色を補ってください。そして、黒っぽい青紫系超々極薄紙雪しずく染めも適宜貼り、色の調整をします。

○樹々  A)明るい緑濃淡折染め超極薄紙(特大判)、青と黄緑2色染め機械漉き典具帖、紫と緑の雅染め典具帖、ピンク機械漉き典具帖をちぎって重ねましょう。幹と枝はこの雅染めをハサミで細〜く切って(濃い色、淡い色を取り混ぜると、遠近感が出ます)。崖の中腹の一本の木。大穴落水紙顔料染め3種で。A)も少々、崖に貼って完成です。
(純)

この作品はちぎり絵サークルの教材として特に作者から提供されたものであります。したがってこの作品を模作・複製して発表したり、販売したりすることは著作権の侵害になりますのでご遠慮ください。