2009年7月の教材

作品名 作者名 サイズ
緑したたる 白神美幸
(児島雅会)
4F式紙

ちぎり絵で風景(静物、人物も)を描くとき、薄紙を貼り重ねると、空間の表現(奥行きや広がり、空気感など)が実に巧く出来ますね。さらに、工夫を凝らした染め紙を利用すると、少ない量や枚数、少しの手間で、驚くほど容易にその効果が出て、ちぎり絵の面白さが倍増することは、皆様も日頃経験なさっています。これは、和紙の染色の世界で、先輩の方々が、ちぎり絵のためにと、研究開発してくださるお陰ですし、後輩の方々も懸命に受け継ぐ努力をされているからです。その恩恵を受けている私たちは「幸せだな〜。もう二度とキミを離さないぞ〜!」と思うのです。

1)まず、黄緑・青緑・白の複雑に混ざり合った顔料ドーサ染め薄典具。貼る場所は画面ほぼ全体。ただし、僅かに見える空と、その下方の、左右の森の間の遠くの空間は除く。一枚を水切りして、水際まで貼る。この紙を、もう一度、今度はちぎって、色を濃くしたい部分や補正したい部分に貼っていく。

2)次に、青緑濃淡折染め超極薄紙(とても大きな判)を2枚重ねて覆うように1)の上に貼る。(淡い方が画面上部と森の下部に来るように。)さあ、美しい絶妙な色の変化のある空間が現れました。冒頭で述べたことを実感していただけましたね。

3)あとは、土手と水面と樹を描けばお終い。土手は、手漉き典具帖顔料吹き付け染め、機械漉き落水紙2種。水面は雪しずく染め(絞り染め)極薄紙に2)を重ねる。樹々の幹と枝は、楮黒皮入り未晒し顔料染め3種。手前の太い幹は鉄筆、枝と奥の細い幹はハサミで。奥の樹は2)を重ねて淡くします。葉は、手漉き大穴落水紙顔料ドーサ染め2種。表裏両面を使って下さい。
(純)

この作品はちぎり絵サークルの教材として特に作者から提供されたものであります。したがってこの作品を模作・複製して発表したり、販売したりすることは著作権の侵害になりますのでご遠慮ください。